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自宅待機を命じられたのに給与が支払われない! 法的対策はあるか

2020年09月25日
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自宅待機を命じられたのに給与が支払われない! 法的対策はあるか

帝国データバンクが公表した調査結果によると、新型コロナウイルスの影響を受けた倒産は、全国で408件にも上りました(2020年8月時点)。そのうち奈良県では、2件の倒産が確認されています。

企業経営にとって苦しい状況が続く中、さらなる感染拡大を防ぐために営業自粛を要請されるケースも増えています。また、自宅待機を命じられた労働者の中には、給与がきちんと支払われるか不安な思いを抱えている人も少なくないでしょう。

もし自宅待機中の給与が支払われなかった場合、請求する権利はあるのでしょうか。ベリーベスト法律事務所 奈良オフィスの弁護士が解説します。

1、自宅待機は2種類ある

  1. (1)業務命令としての自宅待機

    会社が従業員に命じる自宅待機には、2種類あります。ひとつ目は、業務命令としての自宅待機です。

    新型コロナウイルスのように感染症対策のために命じる場合をはじめ、自然災害などのやむを得ないケース、経営・管理上の障害が発生し営業の継続が困難になったケース、解雇や懲戒処分の前提として従業員による不正行為等の事実関係調査を行うためのケースなどがあります。

    つまり、業務命令としての自宅待機の特徴は、“従業員には責任がない、または責任があるとは断定できない”理由によるものと言えます。業務命令としての自宅待機は、さらに、“会社に責任がある場合”と“会社に責任がない場合”に分類されます。このどちらに該当するのかによって、自宅待機中の給与を保障する程度も異なってきます。これについては、「2、自宅待機を命じた会社に給与支払い義務はあるか」にて詳しく解説します。

  2. (2)懲戒処分としての自宅待機

    ふたつ目の懲戒処分としての自宅待機は、その名前のとおり従業員が何らかの契約違反を行った場合に、懲戒処分として自宅待機(出勤停止)を命じるというものです。この場合は、従業員本人に責任があるため、自宅待機中の給与は支払わなくても良いと考えられます。

2、自宅待機を命じた会社に給与支払い義務はあるか

  1. (1)やむを得ない理由によるものかどうかが判断基準

    会社側に自宅待機中の給与を支払う義務があるかどうかを決める基準は、会社の責任ではない理由があるか否かです。

    “会社の責任ではない理由”があるとは言えない場合には、会社は原則として自宅待機中の従業員に対して、賃金を支払わなければならないとされています。

    しかし、自宅待機中の従業員は労働を提供していないにもかかわらず、なぜ会社は給与を支払わなければならないのでしょうか。その根拠は、民法第536条2項と労働基準法第26条に記載されています。

    民法第536条2項には「債権者の責めに帰すべき事由によって債務を履行することができなくなったときは、債権者は、反対給付の履行を拒むことができない」とあり、これは、会社の責任で労働者が労働できなくなった場合には労働者に対して給与支払いを拒めないということを意味しています。

    さらに、労働基準法第26条には「使用者の責に帰すべき事由による休業の場合においては、使用者は、休業期間中当該労働者に、その平均賃金の百分の六十以上の手当を支払わなければならない」と、具体的に明記されています。

  2. (2)支払われる場合、給与はどれぐらい補償されるのか

    前述のとおり、会社の責任によって自宅待機を命じることになった場合には、直近3か月の平均賃金の60%~100%を休業手当として支払わなければなりません(民法第536条2項、労働基準法第26条)。

    休業手当を60%~100%のうち具体的にどの数値に設定するのかについては、各企業の就業規則の中で定めることができます。しかしその場合でも、原則として労働基準法第26条の60%を下回ることはできません。

  3. (3)コロナは自然災害と同じ“会社の責任ではない理由”と言えるのか

    では、新型コロナウイルスのような感染症は、地震や台風などと同様に“会社の責任ではない理由”として扱われるのでしょうか。

    これに、一概に言い切れる答えはありません。新型コロナウイルスが企業経営に及ぼす影響は、業種や地域によってさまざまだからです。

    たとえば、営業自粛要請を受けた訳ではないけれども、新型コロナウイルスの影響による業績悪化が理由で休業している場合もあるでしょう。また、飲食店のように、業務の性質上テレワークが実現不可能な業種も存在します。一方で、テレワークによる業務も本来は可能であるにもかかわらず、会社側に設備投資をする資金的余裕がないためにテレワークができず、従業員が自宅待機をせざるを得ない事例もあるでしょう。

    新型コロナウイルスによる自宅待機命令が、“会社の責任ではない理由”に当てはまるのかどうかの判断は非常に難しいので、労働事件を取り扱っている弁護士に個別に相談することをおすすめします。もし、新型コロナウイルスを理由と見せかけて、不当に長い自宅待機を命じていると判断された場合には、給与全額の支払いを請求できる可能性があります。

3、会社が給与を支払わないケースとは

  1. (1)不当な理由により支払いを拒否しているケース

    会社側が給与の支払いを拒否するケースとして、従業員に落ち度があると主張してくることがあります。

    「業務上のミスや、急な退職により会社に損害を与えたから」といった説明が用いられることがありますが、法的にはこのような主張は認められません。このような給与の未払いは、労働基準法違反として会社に30万円以下の罰金が科される可能性があります(労働基準法第24条、第120条1号)。

  2. (2)経営不振や倒産で給与の支払いが困難なケース

    会社側が給与の支払いをしない理由として、経営不振や倒産により給与の支払いが困難になったというケースもあります。

    この場合であっても、会社は給与支払義務を免れる訳ではありません。従業員は賃金請求権という正当な権利を有しています。しかし、このようなケースにおいて個人で未払いの給与を回収するのは困難と言えます。まずは信頼できる弁護士に相談しましょう。

4、給与が支払われない場合の法的対策

  1. (1)国による未払賃金立替払制度

    会社が倒産して給与の支払いをしてもらえない場合には、救済措置として、国による未払賃金立替払制度があります。
    ただし、利用できるのは、以下の条件を満たす場合に限られます。

    • 会社が事業活動を1年以上行っていたこと
    • 会社が倒産したこと※1
    • 会社が倒産を裁判所に申し立てた日、または労働基準監督署の認定の申請日より6か月前以降2年間に退職した労働者であること
    • 未払いの定期賃金と退職手当があること※2

    • ※1 倒産には、以下の2種類があります
      法律上の倒産:破産・特別清算・民事再生・会社更生を裁判所に申し立て、手続開始の決定があった場合
      事実上の倒産:事業活動が停止し、再開する見込みがなく、賃金支払い能力がない中小企業で、労働基準監督署長の認定を受けた場合
    • ※2 ボーナス、および2万円未満の未払い賃金は立て替えの対象外です


    上記の要件を満たしている場合、労働者は“破産手続開始の決定等の決定日又は監督署長による認定日の翌日”から2年以内に、各都道府県の労働基準監督署で申請手続きを行わなければなりません。申請書は労働基準監督署に設置されており、申請方法についてアドバイスを受けることもできます。

    国から支払われる額は未払い賃金の8割ですが、退職時の年齢に応じて以下の上限があります。

    • 30歳未満……88万円
    • 35歳~45歳未満……176万円
    • 45歳~……296万円


    立て替え払いされた金額については、後で国が会社に求償します。

  2. (2)中小企業労働者に対するコロナ休業支援金・給付金

    新型コロナウイルス感染防止のために業務命令による自宅待機をしていたものの、休業手当を受け取れなかった中小企業労働者を支援する制度もあります。

    新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金の概要は、以下の通りです。

    • 対象者:2020年4月1日から9月30日までの間に事業主の指示を受けて休業していた中小企業労働者のうち、休業手当を受け取っていない人
    • 支援金額:休業前の1日あたり平均賃金の80%×会社命令により休んだ日数
    • 申請方法:申請書、支給要件確認書、本人確認書類、口座確認書類、休業開始前賃金および休業期間中の給与を証明できるものを郵送で申請
    • 申請先:厚生労働省 新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金担当


    なお、申請書は、厚生労働省のホームページからダウンロードが可能です。

  3. (3)会社に対する未払い賃金請求

    会社に対して直接、未払い賃金を請求する方法もあります。その場合、一般に以下のステップで進めていきます。

    • 会社に直接相談する
    • 内容証明郵便を送る
    • 弁護士に依頼して労働審判
    • 弁護士に依頼して労働訴訟


    内容証明郵便を利用すれば、“差出人・受取人・発送日時・受取日時・文書の内容”を郵便局が証明します。法的紛争の際には、証拠として頻繁に用いられています。

    なお、弁護士に依頼をすれば、過不足ない内容をスピーディーに送ってくれることが期待できます。さらに弁護士名義であることで、会社側が交渉に応じる可能性が高まります。

    もし、任意の交渉で会社が賃金支払いに応じない場合には、裁判所での手続きに移行することになります。労働審判とは、労働関連のトラブルに特化した、通常裁判よりも簡易な紛争解決手続です。裁判官が決着をつける点では通常裁判と同じですが、労働審判は原則3回までの期日で完了し、非公開となります。

    労働審判でも決着がつかない場合には、さらに訴訟に発展することもあります。

  4. (4)弁護士に依頼するメリット

    未払い賃金の請求手続きを弁護士に依頼するメリットは、以下のようなことが挙げられます。

    • 弁護士が会社と代理交渉することで精神的負担が減る
    • 弁護士が入ることで会社が交渉に応じる可能性が高まる
    • 弁護士に証拠収集の具体的かつ適切なアドバイスをもらえる
    • 煩雑な法的手続きを一任できるため、時間や精神的負担が減る


    未払い賃金の請求権には本来の支払期日から3年間の消滅時効があります(2020年4月1日以降に支払われる賃金に限られます。それまでの賃金の請求についての消滅時効は2年間です。)。スピーディーな解決のためにも弁護士への依頼は有効と言えるでしょう。

5、まとめ

業務命令による自宅待機では、自然災害など、会社の責任でない理由を除いて、原則として賃金を請求することができます。

また、もし会社が倒産してしまったり経営困難になったりして支払不能となってしまったとしても、国による未払い賃金立替払制度や、中小企業労働者を対象とするコロナ休業支援金・給付金制度も用意されています。条件に該当するか確認の上で、申請を検討してみましょう。

未払い賃金の請求は労働者の権利です。未払賃金でお困りの際は、奈良オフィスの弁護士までお気軽にご連絡ください。労働問題の解決実績豊富な弁護士が、真摯にお話を伺います。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています
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