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無期転換逃れは違法? 無期転換ルールについて改めて確認しておこう

2022年08月23日
  • 不当解雇・退職勧奨
  • 無期転換逃れ
無期転換逃れは違法? 無期転換ルールについて改めて確認しておこう

平成25年4月1日に施行された改正労働契約法によって、対象となる会社には「無期転換ルール」が導入されることが義務付けられました。

無期転換ルールとは、対象となる労働者から申し込みがあった場合、一定のルールに基づき、期間限定の労働契約から期間の定めのない労働契約に転換することです。そのため企業では、労働者から法的手続きを取られないためにも、無期転換ルールを踏まえた整備を進めていく必要があります。

今回は、無期転換ルールの概要と違法な無期転換逃れになるケースについて、ベリーベスト法律事務所 奈良オフィスの弁護士が解説します。

1、無期転換ルールとは

まずは、無期転換ルールの概要について説明します。

  1. (1)無期転換ルールの概要

    無期転換ルールとは、同一の使用者との間で期間の定めのある労働契約(有期労働契約)が更新され、通算5年を超えた場合に、当該労働者からの申込みにより期間の定めがない労働契約(無期労働契約)に転換することができる制度のことをいいます(労働契約法18条)。

    無期転換ルールの適用対象となる労働者は、原則として、期間の定めのある労働契約が通算して5年を超えるすべての方です。

    具体的には、契約社員、パート、アルバイトなど名称を問わず、すべての非正規雇用労働者が対象となります。そのため、期間の定めのある労働契約を締結した労働者を雇用する企業では、対象となる労働者からの無期転換権行使に備えて、無期転換ルールを正確に理解しておくことが大切です。

  2. (2)無期転換申込権発生の要件

    労働者に無期転換申込権が発生するためには、以下のすべての要件を満たす必要があります。

    ① 有期労働契約の通算期間が5年を超えている
    使用者との間で締結された有期労働の契約が反復して更新され、通算して5年を超えることが要件となります。

    通算期間でカウントしますので、契約期間が5年を経過していなかったとしても、この要件を満たす場合があります。

    たとえば、契約期間が3年の有期労働契約の更新をした場合には、通算契約期間が6年になりますので、4年目には無期転換申込権が発生することになります。

    なお、通算契約期間は、平成25年4月1日以降に開始した労働契約からカウントしますので、それ以前に開始した有期労働契約については、通算契約期間の算定対象にはなりません。

    ② 契約の更新回数が1回以上
    無期転換申込権が発生するためには、契約の更新が1回以上行われていることが必要となります。

    ③ 現時点で同一の使用者との間で労働契約を締結している
    通算契約期間5年を超えて有期労働契約を契約・更新してきた使用者との間で、現在も有期労働契約を締結していることが必要となります。

2、無期転換逃れのための雇止めは無効になる可能性がある

労働者からの無期転換申込を避けるために、無期転換申込権を取得する前に雇止めをすることは無効になる可能性があります。

  1. (1)雇止めとは

    雇止めとは、有期労働契約を締結している労働者に対して、期間満了時に更新をせず労働契約を終了させることをいいます。

    有期労働契約は、期間の定めのある労働契約ですので、期間満了による労働契約の終了は本来予定されていることですので、雇止めをすること自体は、原則として違法ではありません。

    しかし、複数回にわたって労働契約の更新が繰り返されており、通算契約期間も長期に及んでいる場合には、労働者としては実質的に期間の定めのない労働契約と同等と考えていたり、次回も更新できるものと期待を抱いていたりすることもあります

    そのため、一定の条件を満たした雇止めは無効になることがあります。

  2. (2)雇止めが無効になるケース

    いずれかの要件に該当する場合、雇止めが無効になることがあります(労働契約法19条)。

    • 有期の労働契約が複数回更新され、契約が更新されることへの期待が生じている場合
    • 実質的にみて期間の定めのない労働契約と変わらない状態になっている場合


    雇止めが無効となるかどうかは、以下のような要素を総合考慮して判断することになります。

    • 業務の客観的内容(従事する仕事の種類、内容、勤務形態)
    • 契約上の地位の性格(地位の基幹性、臨時性、労働条件の正社員との同一性の有無)
    • 当事者の主観的態様(継続雇用を期待させる言動、認識の有無、程度)
    • 更新手続き・実態(契約更新状況、契約更新時の手続きの厳格性の程度)
    • 他の労働者の更新状況(同様の地位にある労働者の雇止めの有無)
    • その他(有期労働契約を締結した経緯、勤続年数・年齢などの上限設定の有無)


    無期転換ルールを回避する目的で雇止めをすることは、労働契約法の趣旨からして不当な目的による雇止めと判断される可能性が高くなります。そのため、無期転換逃れのための雇止めは無効になる可能性がありますので注意が必要です。

3、雇用主は無期転換を拒否する権利はない

労働者から無期転換申込権を行使された場合には、雇用主としてはどのような対応が必要になるのでしょうか。

  1. (1)労働者からの無期転換申込を拒否することはできない

    無期転換申込権を有する労働者から申込みがあった場合、雇用主は、それを拒否することはできません。

    労働者からの無期転換申込によって、期間の定めのある労働契約が期間満了によって終了した日の翌日から無期の労働契約が成立することになります。

  2. (2)無期転換の申込みがあった労働者を雇止めすることはできない

    無期転換申込権を有する労働者から無期転換申込があった場合には、当然に、始期付無期労働契約が成立するものと考えられています。

    そのため、申込みをした労働者を雇止めできません。無期労働契約を終了させるためには解雇という手段がありますが、解雇には、法律上、厳格なルールが定められていますので、無期転換ルールを回避する目的で労働者を解雇することは不当解雇として無効になる可能性が高いといえます。

4、無期転換逃れに当てはまるケース

以下のようなケースでは、無期転換逃れであるとして、違法・無効と判断される可能性がありますので注意が必要です。

  1. (1)無期転換ルールを避けるための雇止め

    通算契約期間が5年を超えた労働者に対しては、無期転換申込権が与えられることになります。無期雇用契約に転換された場合には、厳格な解雇規制が適用されることになりますので、会社としては簡単に労働契約を終了させることができなくなってしまいます。

    そのため、通算契約期間が5年に達する労働者を対象として雇止めをすることは、無期転換逃れのための違法な雇止めであると判断されるリスクがあります

  2. (2)突然契約期間の上限を設定すること

    無期転換ルールの適用を回避する目的で、有期労働契約の更新期間の上限や更新回数の上限を設けることがあります。このような更新期間や更新回数の上限を設定すること自体は、その内容が合理的なものであり、労働者に対して周知されていれば直ちに違法となるものではありません。

    しかし当初、有期労働契約において更新期間・更新回数などの上限が設けられていなかったにもかかわらず、無期転換間際になって突然上限を設定した場合、無期転換ルールを潜脱するものとして違法・無効となる可能性があります。

  3. (3)無期転換を妨害するためのクーリング期間の利用

    クーリング期間とは、同一の使用者との間で有期の労働契約を締結していない期間が一定以上続いた場合に、それ以前の期間を通算契約期間の対象から除外することをいいます。

    たとえば、無契約期間の前の有期契約期間が1年以上あったとしても、無契約期間が6か月以上ある場合には、無契約期間より前の有期契約期間は、通算契約期間の対象から除外されます。

    このクーリング期間を悪用して、無期転換申込権を取得する直前に、有期雇用労働者との間で再雇用を約束した上で雇止めにし、クーリング期間経過後に再雇用するという扱いがなされることがあります。しかし、このような扱いは、無期転換ルールを潜脱するものとして以上・無効になる可能性があります。

5、まとめ

無期転換ルールの導入に伴い、有期雇用労働者を雇用している企業では、労働者からの無期転換申込に備えた対応を考えていかなければなりません。無期転換逃れを目的として雇止めや期間・回数の上限設定を行うということは、無期転換ルールを潜脱するものとして、違法・無効と判断されるリスクがあります。適切な対応をしていくためにも、弁護士のサポートを受けながら進めていくことをおすすめします

無期転換ルールへの対応でお困りの方は、ベリーベスト法律事務所 奈良オフィスまでお気軽にご相談ください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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