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消滅時効で債務整理ができる? 時効援用の条件やデメリットとは

2021年01月26日
  • 借金問題
  • 時効援用
  • デメリット
消滅時効で債務整理ができる? 時効援用の条件やデメリットとは

借金問題を解決する債務整理の手続きで、一般によく知られているのは、任意整理や自己破産、個人再生ではないでしょうか。奈良の地方裁判所でも自己破産や個人再生が扱われており、ピーク時の平成14年頃に比べると落ち着いた推移をみせていますが、ここ数年は再び増加する傾向がみられています。

一方、借金を法的に帳消しにする方法として「消滅時効」という言葉を聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれません。令和2年4月に消滅時効に関する法律が改正され、ニュースやインターネットで消滅時効について見聞きする機会が増えたためです。

消滅時効によって借金が帳消しになるのであれば、借金問題を解決する手段としても有効なのではないかと考えられるかもしれません。しかし、消滅時効のメリットだけを強調した情報をうのみにするのは危険です。法的な手続きは一般には理解が難しいポイントも多々あり、実際の条件やデメリットについて詳しく知っておくことが大変重要だからです。

そこで本コラムでは、債務整理の選択肢としての観点から消滅時効について、ベリーベスト法律事務所 奈良オフィスの弁護士が解説します。

1、消滅時効の制度について

時効の制度は、紀元前からあるローマ法の法格言「権利の上に眠る者は保護しない」に由来しています。一般に時効とは、一定期間の経過によって、法的な権利を取得したり、法的な権利がなくなることを意味します。

時効の一つである消滅時効について、その概要を解説します。

  1. (1)消滅時効の規定

    民法では、債権に関する消滅時効について次のように規定しています(民法166条1項)。

    債権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する。

    • 債権者が権利を行使することができることを知った時から5年間行使しないとき
    • 権利を行使することができる時から10年間行使しないとき


    債務整理の対象となる借金などは、債権者である金融業者や銀行が権利を行使できることを知らないというケースは一般には考えられないため、時効期間は5年間となることがほとんどです。

  2. (2)時効は援用により効果が発生する

    時効による利益を受けようとする場合は、時効を「援用」しなければならないとされています(民法145条)。
    援用とは、自分に有利な法律の適用を受けることを明らかにする意思表示です。時効による利益を受けるのは権利なので、権利を行使しないことも自由です。時効援用の詳しい手続きは「時効援用の方法」で解説します。

    なお、時効による利益を受けようとする場合は、法律に沿って適切に行動しなければなりません。法律を知らなかったとか、うっかりしたというような理由では、もしも間違った手続きをした際にも救済されることはない点に注意する必要があります。

2、時効援用のメリットとデメリット

消滅時効は時効を援用するだけで債務の支払い義務が消滅する制度です。援用自体はそれほど難しい手続きではなく、費用もそれほどかかりません。しかし、消滅時効は完成までのハードルが高く、援用に至るまでに大きなリスクを負うのがデメリットといえます。このデメリットについて、具体的に解説します。

  1. (1)時効完成までのハードルが高い

    消滅時効の最も難しいポイントは、時効の完成時期が変動する可能性がある点です。最後に弁済(返済)した時から5年間経過すれば必ず時効になるというわけではないのです。

    なぜなら、債権者には時効をリセットしたり、時効期間を延長したりする手段があるため、消滅時効を狙って成立させようとするのは、債権者のミスに賭けるギャンブルにも等しいといえるからです。

    また、消滅時効が完成していないタイミングで時効援用をしてしまうと、時効により債務を免れる意図を見透かされてしまい、債権者が時効を延長する可能性もあります。

  2. (2)時効期間中も遅延損害金が発生し続ける

    時効が進行している期間は弁済(返済)していないため、利息や遅延損害金が積み上がっていきます。消費者金融からの借金の場合で元本額が10万円未満の場合、遅延損害金の上限利率は年20%とされており(利息制限法1条)、仮に5年間一切弁済をしなとなると、最大で元金の100%に相当する遅延損害金が発生することになります。

    5年間債務の弁済を逃れても、必ず消滅時効が援用できるわけではないことを考えると、遅延損害金は大きなリスクといわざるを得ません

3、時効援用の条件と時効障害事由

時効期間の5年間が経過しても消滅時効が援用できないケースがある理由は、2章で述べたとおり、債権者には時効をリセットしたり、延長したりできる権利があるから、ということでした。この時効の完成を回避するための行為を時効障害事由といいます。

時効障害事由にあたる行為をすると、下記の2種類が適用されます。

  • 時効の完成が一定期間先延ばしされる「完成猶予」
  • 時効がリセットされ、新たな時効期間が一から始まる「更新」


以下は、「時効障害事由」の具体的行為と、その結果適用される「完成猶予」と「更新」の詳細です。

時効障害事由 完成猶予 更新
① 裁判上の請求(民法147条)
  1. ・訴訟の提起
  2. ・支払督促
  3. ・民事調停
  4. など
  1. ・手続開始から終了までの間
  2. ・右の文書の取得に至らなかった場合は手続終了から6か月間
  1. ・確定判決または確定判決と同一の効力がある文書(確定した仮執行宣言付き支払督促、和解調書など)の取得
  2. ※時効の期間は10年間になる
② 民事執行手続(民法148条)
  1. ・強制執行
  2. ・抵当権の実行
  3. ・財産開示手続
  4. など
  1. ・手続開始から終了までの間
  2. ・取下げや不適法取消しによって手続が終了した場合は終了から6か月間
  1. ・手続の終了(取下げ・不適法取消しを除く)
③ 民事保全手続(民法149条)
  1. ・仮差押え
  2. ・仮処分
  1. ・手続開始から終了後6か月間
④ 催告(民法150条)
  1. ・催告
    (裁判外の請求)
  1. ・催告から6か月間
  2. ※複数回催告をしても延長しない
⑤ 協議を行う旨の書面による合意(民法151条)
  1. ・債務の履行について協議を行うことの合意書面
  1. ・合意した期間(最長5年間)
⑥ 債務の承認(民法152条)
  1. ・債権の存在を認める行為
  1. ・その行為の時

なお、時効障害事由には、債権者の行為によるものと、債務者の行為によるものがあります。

●債権者の行為による時効障害事由……①②③④⑤
銀行や消費者金融などの債権者が時効の完成を阻止するには、督促状を送ったり訴訟を起こしたりすることで、時効の完成が猶予されます。

上記表の①~⑤に該当します。しかし、これは一時しのぎの行為です。実際に、勝訴判決が確定したりすることで時効が更新されることになります。

●債務者の行為による時効障害事由……⑤⑥
債務者が、債務の承認といわれる行為をすると、時効の利益を受ける意思がないとみられたり、債務者が債務承認をした以上は時効の援用するのは信義則に反し許されないとされます。そのため、たとえ時効期間経過後であっても、債務の承認をすると時効の援用ができなくなります。

具体的には上記表の⑤⑥が該当します。たとえば、1円でも弁済をしたり、利息の免除や返済期限の延長を申し入れたりすれば、いずれも債務の承認をしたとみなされるということです。

4、消滅時効援用の判断が難しいケース

時効障害事由の多くは、債権者の行為によって生じます。そのため、そもそも時効障害事由があることに気づかない場合があり、時効援用の判断が難しい一因ともなっています。

その典型的な事例を紹介します。

●知らないうちに裁判所の手続きが進行していた
裁判上の請求や民事執行手続きなど、裁判所の手続きの当事者となった場合、裁判所から書類が郵便で送達されることになっています。

しかし、借金の問題を抱えている場合は、住民票を動かさずに転居したり、郵便物をよく確認していなかったりということは珍しくありません。法律上、裁判所から郵送される書類を受け取っていなくても、送達されたものと扱われる制度があるため、知らないうちに訴訟などの手続きが進行していたということも十分考えられます。

●保証会社の代位弁済
銀行のカードローンや自動車ローンなどは、保証会社の保証を受けて融資が実行されるのが一般的です。 こういったローンで返済を怠ると、保証会社が代わりに金融機関に弁済(代位弁済)することになります。

この場合、債権者が保証会社に変わり、時効の起算点も代位弁済がされた日となることから、時効の起算日を誤って認識する可能性があります。

●保証人がいる場合
他人に保証人になってもらい借金をした場合や、逆に他人の借金の保証人となった場合はどうなるのでしょうか。なお一般に保証人となる場合は、ほぼ例外なく連帯保証とされているので、「連帯保証人」として解説します。

連帯保証人がいる場合、債権債務の関係は、

  • 債権者と借り主(主債務者)との間の主債務
  • 債権者と連帯保証人との間の保証債務


の2本立てとなり、それぞれ別個に時効は進行します。

ただし、

  • 主債務に生じた時効障害事由は保証債務にも及ぶ(民法457条1項)
  • 保証債務に生じた時効障害事由は主債務には及ばない(民法458条、441条)


ことになっています。

つまり、主債務者が弁済を続けている間は、主債務も保証債務も時効が更新されることになり、逆に連帯保証人のみが弁済をしているケースでは、主債務の時効は更新されず進行していきます。しかし、この原則は合意により変更することが可能です。実際の金融実務では、連帯保証人に対する時効障害事由も主債務に及ぶ旨の取り決めが契約書に盛り込まれることがほとんどだと思われます。

結局、連帯保証人がいるケースでは、契約の内容や連帯保証人(または借り主)が弁済していないか、訴訟を起こされていないかなどを把握した上で、援用の判断をする必要がありますこういった確認は煩雑で、個人ではなかなか難しいため、まず弁護士に相談することをおすすめします

5、時効援用の方法

実際に時効援用する方法について解説します。

  1. (1)時効援用のタイミング

    時効援用は、「時効期間が経過した後」行う必要があります。前もって「令和2年〇月△日が経過した場合は時効を援用する」などと、将来の時効援用を予告しても、時効援用の効力はありません。

  2. (2)時効援用の意思表示の方法

    時効援用は意思表示なので、相手に到達すれば効力が生じます(民法97条1項)。そのため、電話やメールでも法的には問題ありません。しかし、時効の援用は重大な効果が生じる意思表示なので、証拠を残すために内容証明郵便を用いるのが一般的です

    内容証明郵便とは、郵便局に差し出した文書の文面と宛先を郵便局に証明してもらえるサービスです。
    内容証明郵便を配達証明付きで送付すれば、消滅時効援用の意思表示が相手に到達したことの証拠になります。また、文書で時効を援用する場合は、契約当事者と債権を特定した上で、「消滅時効を援用する」ことを明示する必要があります。

6、債務問題の解決を弁護士に依頼するメリット

債務整理の解決実績がある弁護士には、時効などのさまざまなケースの法的紛争に対応した経験があります。そのため、消滅時効の可能性がある場合でも、債務問題について弁護士のサポートを受けることには次のようなメリットがあります。

  • 消滅時効が援用できる可能性を弁護士の見地から判断してもらえる
  • 債権者と不用意に交渉して、債務の承認へ誘導されるリスクがない
  • すべての債務を整理するための適切な方法を提案してもらえる
  • 弁護士が受任すると債権者から直接催促されることがなくなる


なお、消滅時効に期待して債務整理を先延ばしにすることは避けるのが賢明です。先ほど「時効援用のメリットとデメリット」の章でも解説したとおり、消滅時効は狙って完成させることができるわけではなく、リスクも伴うことにただ期待することには大きなリスクがあるためです。

債務整理は着手が早いほど選択肢が多く、経済的な立て直しが容易になります消滅時効は、債務整理を行う過程で援用できるケースがまれに見つかるというのが実情といえるでしょう

7、まとめ

今回は債務整理の観点から消滅時効について解説しました。消滅時効は、うまくいけば借金が帳消しになるものの、実際にはハードルが高く、リスクも伴うということがご理解いただけたかと思います。
借金・債務問題は身近な方に相談しづらく、一人で抱えこみがちです。しかし、弁護士など専門家のサポートを受けることで解決するケースは少なくありません。ベリーベスト法律事務所 奈良オフィスでは、債務整理に関するご相談を無料で受け付けております。電話やテレビ電話でのご相談も可能ですので、まずはお気軽にご相談ください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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