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合意書(協議離婚書)に養育費を請求する法的な効力はあるのか?

2021年07月27日
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合意書(協議離婚書)に養育費を請求する法的な効力はあるのか?

奈良県の『平成30年 人口動態統計』によると、同年度の県内における離婚件数は2047件でした。

離婚する夫婦は年々増加していると言われていますが、子どもがいる夫婦が離婚した場合、しばしば“養育費の支払い”をめぐってトラブルに発展することがあります。

約束通り養育費を払ってくれない相手から強制的に養育費を回収するためには、合意書(離婚協議書)があれば、支払請求ができるのでしょうか。強制執行の手続きに必要な書類や注意点などについて、ベリーベスト法律事務所 奈良オフィスの弁護士が解説します。

1、養育費を取り決める夫婦は増加している

  1. (1)養育費の取り決めをめぐる状況

    養育費は子どもが成長するために欠かせない、大切なお金です。養育費未払いがさまざまな報道でクローズアップされ、深刻な社会問題としての認識が広まる中、離婚の際に養育費を取り決める夫婦が増加しています。養育費を支払わない親に対する世間の視線が一段と厳しくなっていることも、取り決めを後押ししているのかもしれません。

    『平成28年度全国ひとり親世帯等調査結果報告』によると、養育費の取り決め状況は、以下のようになっています。

    • 母子世帯の母……取り決めをしている 42.9%(前回調査 37.7%)
    • 父子世帯の父……取り決めをしている 20.8%(前回調査 17.5%)
  2. (2)養育費の取り決めを交わす文書の種類

    養育費の取り込めをしている、と回答した780名の母子世帯の母親のうち“文書あり”は572名でした。

    文書の種類の内訳は、以下の通りです。

    • 執行認諾条項付きの公正証書、判決・調停・審判など裁判所の取り決め……455名
    • その他の文書……117名


    なお、合意書は、その他の文書に分類されます。したがって、養育費の取り決めを文書で行う場合、合意書のみで行う人はおよそ4分の1にあたります。

  3. (3)合意書と公正証書の違い

    合意書は、離婚の際に夫婦の話し合いの結果決定した、養育費・財産分与・慰謝料・親権などを書面化した個人間の契約書です。

    日付や署名、養育費の金額などの諸条件が明確に記載されていれば、有力な証拠のひとつにはなり得ます。しかし、あくまで個人間で取り交わされた合意書であるため、強制執行をかけることはできません。

    一方、公正証書の場合は、「支払いが滞ったら強制執行を受けても構わない」旨の執行認諾文言が記載されていれば、裁判や調停を経ずに強制執行をかけることが可能です

    公正証書を作成する手順としては、まず夫婦間の話し合い内容を合意書にまとめ、さらに同じ内容の公正証書を公証役場で作成します。公証役場においては、当事者の双方が公正証書作成に立ち会わなければなりませんが、本人が無理な場合は代理人(弁護士)でも構わないとされています。

2、養育費に関する項目が離婚届に新たに追加される


2021年4月、離婚届の書式に養育費について公正証書で取り決めをしているか確認するチェック項目が新たに設けられることが、法務省から発表されました。

新書式にはQRコードも記載され、スマートフォンなどで読み取ると養育費だけではなく、財産分与や親権など、離婚時に決めておくべき項目がわかる法務省のページにアクセスできます

公正証書作成は強制ではなく、あくまでも当事者に考えるきっかけを提供する役割にとどまりますが、過去の状況を踏まえると大きな前進と言えるかもしれません。

3、合意書で、未払いの養育費に対して強制執行できるか?

  1. (1)債務名義と合意書

    未払い養育費を強制執行により回収するためには、債務名義と呼ばれる公文書が必要です。

    債務名義とは、法律の力で強制的に実現できる債権の存在を公に証明する文書のことであり、たとえば執行認諾文言付き公正証書、調停調書、確定判決などがあります。

    合意書は個人間の契約であるため、債務名義のように強制執行をかけることはできません。

    しかし、日付や署名などの諸条件を満たしていれば、裁判において有力な証拠として認められる可能性はあります。合意書を証拠として提出した裁判で、養育費の支払いを命じる確定判決を得ることができれば、最終的に強制執行ができる可能性があります合意書があり、強制執行を検討している場合は、まずは離婚問題の実績がある弁護士に相談してみましょう

  2. (2)養育費未払いによる給料の差し押さえ範囲

    養育費の未払いにより、相手の給与を差し押さえる際には、法律で“税金等控除後の手取り額の2分の1まで”と定められています。たとえば相手の給与債権の手取り額が50万円である場合には、25万円までは未払い養育費の差し押さえの対象となるということです。

    また養育費の未払いが発生しているケースでは、将来分の養育費についても一括で差し押さえを申し立てることができます。これは、裁判所での申立手続きに時間や労力を要するため、権利者の負担を軽減させることが目的とされています。

4、公正証書の効力

  1. (1)財産開示手続きが容易になった

    養育費を払ってくれない相手の財産に強制執行をかけるためには、まず相手がどんな財産をどこに保有しているのか特定しなければなりません。相手の保有財産の詳細が不明である場合は、裁判所に財産開示手続きを申し立てるという方法があります(民事執行法第196条以下)。

    従来の公正証書ではこの制度を利用できませんでしたが、2020年4月の法改正の施行により、公正証書でも可能となりました。

    財産開示手続きを申し立てると、裁判所は、財産開示期日に裁判所に出頭して財産状況を陳述するよう相手に命じます。これらの裁判所の命令に従わない場合、「6か月以下の懲役または50万円以下の罰金」という刑事罰が科せられる可能性があります(民事執行法213条1項5号および6号)。

    改正前は過料という軽い罰金であり前科もつきませんでしたが、養育費未払い問題への批判が高まる中で、より厳しい内容へと変更されました。

  2. (2)第三者からの情報取得が可能になる

    2020年4月施行の改正法で新設された第三者からの情報取得手続き(民事執行法第204条以下)も、相手の保有財産を特定するための制度です。相手が財産を開示しない場合でも、金融機関や市区町村役場、日本年金機構、登記所などの“第三者”から裁判所を介して財産情報を提供してもらえるという制度です。

    たとえば、預貯金口座については、銀行名だけでなく支店名まで特定しなければ強制執行をかけることができませんが、裁判所から複数の銀行本店に照会してもらうことができるため、従来より特定しやすくなります。

    また、相手が無断で転職していた場合でも、住んでいる自治体さえ判明していれば、市区町村役場や日本年金機構の記録から新しい勤務先情報を提供してもらうことが可能となりました(民事執行法第206条)

    ただし、登記所からの不動産情報と市区町村役場・日本年金機構からの給与債権情報については、前述の財産開示手続きを先に申し立てることが利用条件となっていますので注意が必要です(民事執行法第205条2項、同法206条2項)。

5、未払いの養育費で悩んだら弁護士に相談を

離婚協議において合意書を交わしたにもかかわらず、養育費の未払いにお悩みの際には、諦めずに弁護士に相談されることをおすすめします。

弁護士に交渉を依頼すれば精神的負担も少なくなり、相手側が話し合いに応じる可能性が高まります。なかなか支払いに応じなかった相手側が、弁護士が介入することで態度を軟化させるケースも少なくありません。

未払いの養育費を実際に差し押さえする際のこまごまとした手続きを一任できることも、弁護士のメリットのひとつです。たとえば、給与を差し押さえする際には、相手の勤務先に連絡を取る必要がありますが、弁護士に依頼すればそれらの手続きもすべて任せることができます。

6、まとめ

合意書で養育費の取り決めをしていても、個人間の契約書であるため、強制執行をかけることはできませんしかし、一定の条件を満たしていれば、裁判における有利な証拠となり、最終的に強制執行ができる可能性もあるでしょう

離婚協議において合意書は作成したが、養育費が未払いになってしまい、強制執行ができるのか悩んでいる方は、ベリーベスト法律事務所 奈良オフィスの弁護士まで、まずはお気軽にご連絡ください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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