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被害届なしでも逮捕されることがある? 警察の捜査・呼び出しへの正しい対処法

2021年04月28日
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被害届なしでも逮捕されることがある? 警察の捜査・呼び出しへの正しい対処法

奈良県警察では、県警が発表した事件・事故などの情報を『奈良県警察Weekly News』としてホームページで公開しています。実際にアクセスすると「傷害で男を逮捕」「万引きで女を逮捕」といった逮捕の情報が目立ち、奈良県内でも日々どこかで誰かが逮捕されていることがよくわかります。

逮捕の一般的なイメージとして
・犯罪の被害者が警察に被害届を提出する
・捜査がスタートする
・捜査が進められたうえで被疑者として逮捕される
という流れを考える方が多いのではないでしょうか。

そのため、もし罪を犯してしまった場合、被害者が被害届をいつだすか気になる一方、「被害者が警察に被害届を提出しなければ逮捕されないのではないか?」と期待する方もいらっしゃるでしょう。

このコラムでは被害届と逮捕の関係を奈良オフィスの弁護士が解説します。被害届がないと逮捕・起訴されないのか、警察からの呼び出しを受けた場合の正しい対応なども紹介していきましょう。

1、逮捕の種類と要件

『逮捕』は罪を犯した被疑者の身柄を拘束する強制手続きのひとつです。逮捕された被疑者は、警察署の留置場などに身柄を置かれ、捜査機関による取り調べを受けることになります。

逮捕には3つの種類があり、それぞれ要件が異なります。
まずは、逮捕の種類と要件を確認しましょう。

  1. (1)通常逮捕

    裁判官が発付した逮捕状に基づいて被疑者の身柄を拘束する手続きを『通常逮捕』といいます。
    犯行の後日になって身柄を確保されることから『後日逮捕』と呼ぶこともあります。

    通常逮捕が認められるのは、次の2点を満たす場合です。

    • 逮捕の理由があること
    • 逮捕の必要性があること


    刑事訴訟法第199条1項は、通常逮捕について「被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があるとき」と定めており、これを満たすには、逮捕の理由(嫌疑の相当性)と逮捕の必要性が必要です。

    嫌疑の相当性とは、証拠などに裏付けられた客観的・合理的な疑いです。また、逮捕の必要性とは、被疑者が逃亡または証拠隠滅をはかるおそれがある場合です。

    逮捕の理由と逮捕の必要性を満たす場合は、検察官・検察事務官・司法警察員からの請求によって裁判官が逮捕状を発付し、逮捕が許可されます。

  2. (2)現行犯逮捕

    現に罪を行い、または、現に罪を行い終わった者の身柄を拘束するのが『現行犯逮捕』です。

    逮捕状が必要な通常逮捕とは異なり、現行犯逮捕では令状なしでの逮捕が認められています。また、まさに犯行を目撃している状況であり犯人の取り違いが起きるおそれが極めて低いことから、警察官や検察官ではない一般の私人でも逮捕が可能です。

    さらに、犯行の現場から離れている場合でも、刑事訴訟法第212条2項で明示されている次の4つのケースでは、罪を行い終わってから間がないと明らかに認められることや逮捕の必要性という条件はありますが、現行犯人と同じ扱いを受けて現行犯逮捕が認められます。

    • 「待て、泥棒!」など、犯人として呼ばれたり追いかけられたりしている
    • 犯罪の被害品や血がついた包丁など、犯行に使用したと思われる凶器などを所持している
    • 身体や衣服などに返り血を浴びているなど、犯罪の顕著な証跡がある
    • 「そこで何をしている」と声をかけられただけで逃走する


    これらの要件を満たす場合を「準現行犯」といいます。

  3. (3)緊急逮捕

    日本国憲法第33条は、国民の誰もが、現行犯逮捕される場合を除いては逮捕状なしに逮捕されないことを定めています。
    これを『令状主義』といいますが、現行犯人とはいえない状況でも一定の要件を満たしていれば令状なしでも『緊急逮捕』が可能です。

    緊急逮捕が認められるのは、次の3点を満たす場合に限られています。

    • 死刑・無期・長期3年以上の懲役もしくは禁錮にあたる罪である
    • 罪を犯したことを疑うに足りる充分な理由がある
    • 急速を要し、裁判官に逮捕状を請求する暇がない


    一部の重大犯罪について、通常逮捕の要件である「相当な理由」よりも強い嫌疑がある状態で、逃亡・証拠隠滅を防ぐためには裁判官の逮捕状発付を待つ時間的な余裕がない場合にのみ認められる、令状主義の例外的な逮捕です。

    ただし、逮捕後は直ちに逮捕状を請求し、発付された逮捕状を被疑者に示す必要があります。
    逮捕状請求が却下された場合は、直ちに被疑者を釈放しなければなりません。

2、被害届なしでも捜査・逮捕されるケース

刑法などの刑罰法令に触れて刑事事件となるケースでは、一般的に犯罪の被害に遭った人、つまり『被害者』が存在します。
被害者が犯罪被害に遭ったことを捜査機関に申告することで捜査が始まり、要件を満たす場合は逮捕が執行されるというのが一般的な流れでしょう。

では、被害者が被害届を提出しない限り、警察が捜査を始めることもなければ逮捕されることもないのでしょうか?

  1. (1)被害届がなくても捜査・逮捕は可能

    『被害届』とは、犯罪の被害者が警察に対して「犯罪の被害に遭った」という事実を申告するものです。犯罪捜査規範第61条を根拠とした手続きで、口頭での届け出を受けた警察官は、被害者から被害届を書面で受理します。

    被害届は「捜査の端緒(たんちょ)」のひとつと位置付けられています。端緒とは「きっかけ」という意味であり、被害届は捜査が発動するきっかけに過ぎません。

    つまり、ほかのきっかけがあれば警察が捜査を始める可能性があり、必要に応じて逮捕されることもあることになりますたとえ被害者からの被害届がない場合でも、別の端緒さえあれば事件が発覚して捜査・逮捕される可能性があると考えておきましょう

  2. (2)被害者が存在しないケース

    犯罪のなかには、そもそも被害者が存在しないケースが存在します。

    たとえば、刑法の公然わいせつ罪・贈賄罪・収賄罪・賭博罪などは、行為そのものが犯罪となるため特定の被害者がいない場合でも成立します。覚醒剤取締法、銃刀法、道路交通法などの違反でも同様です。

    これらの罪を犯した場合は、被害届ではない端緒によって警察が事件を認知すれば捜査が進められます。

    目撃者からの通報や利害関係者からの密告、一般市民から寄せられた情報、医師や自治体など関係機関からの通報など、さまざまなきっかけから捜査が始まるので、被害届が出ていないという事実だけで安心してはいけません

    もちろん、これらの犯罪では被害届がなくても必要に応じて逮捕されることがあります。

  3. (3)強制捜査が必要なケース

    被害者が存在している事件で、何らかの事情で被害者が被害届を提出していなかったり、被害者が被害届を取り下げたりしたケースでも、緊急性や事案の悪質性によっては逮捕されることがあります。

    たとえば、DV・ストーカーといった被害者の生命や身体などに対して危害が加えられるおそれが高い事案では、被害届の提出を待っている間に重大な被害が起きてしまうかもしれません。

    被害者が相談しただけの段階や、いったんは被害届を提出したものの話し合いによって取り下げた場合でも、直ちに強制捜査に踏み切る必要があると判断されれば逮捕に踏み切ることがあります。

3、被害届なしでも起訴されるケース

繰り返しになりますが、被害者が被害届を提出していなくても、捜査・逮捕されることがあります。そして、捜査・逮捕の先に待つのは検察官による起訴・不起訴の判断です。

起訴においても、被害届の有無に関係なく検察官が踏み切る可能性はあるのでしょうか?

  1. (1)検察官の判断次第では起訴される

    検察官が事件を起訴するか、それとも不起訴とするのかの判断は、さまざまな要素が検討材料となります。

    もちろん、被害者の処罰感情も重要な判断材料となるため、被害届の有無は無関係ではありません。

    ただし、被害届が提出されていなかった場合、検察官は「なぜ被害者は被害届を提出していないのか」という点にも注目して、その背景も判断材料に加えます。

    たとえば、夫からの暴力を受けた妻が被害届を提出していないからといって、安易に「妻は夫を許している」とは評価しないでしょう。被害届を提出できないように圧力をかけられていないか、報復を恐れて被害届を提出しないのではないかといった点まで詳しく精査するので、状況次第では検察官が起訴に踏み切る事態になることも充分に考えられます。

  2. (2)親告罪の場合

    名誉毀損罪や器物損壊罪などは『親告罪』に規定されています。親告罪にあたる事件では、被害者の告訴がないと検察官が起訴できません。

    犯人が誰なのかがわからない事件では、警察への届出時は被害届を受理しておき、被疑者が特定できた段階で告訴状を受理するという運用で捜査を進めることもあります。
    ただし、検察官が起訴・不起訴を決断するタイミングでも告訴状が提出されていない場合は、要件を欠くため検察官が起訴に踏み切ることはありません。

4、警察から呼び出しを受けた場合の適切な対応

もし、警察から「◯月◯日に警察署へ出頭してほしい」との呼び出しを受けた場合は、どのように対応すればよいのでしょうか?

  1. (1)正当な理由なしで出頭を拒んではいけない

    警察からの呼び出しに応じるか、それとも拒むのかは、すべて任意です。呼び出しに応じる義務はありません。

    ただし、被疑者であるにもかかわらず、正当な理由もなく警察からの呼び出しに繰り返し応じず、不出頭が重なることで、被疑者に逃亡や罪証隠滅のおそれがあると認められる場合があり、その場合には通常逮捕における「逮捕の必要性」を満たしてしまいます。「逮捕の必要性」を満たせば、逃亡・証拠隠滅を疑われて逮捕されてしまうおそれが高まるでしょう。

    素直に呼び出しに応じれば、逮捕されず任意のままで検察庁に送付されるだけで済んだのに、わざわざ自分から逮捕の理由を作ってしまうのは明らかな損です

  2. (2)出頭できない場合は理由を説明する

    仕事などの用事で警察から指定を受けた期日に出頭できない場合は、担当者に電話をかけて、なぜ出頭できないのか、いつなら出頭できるのかを説明しましょう。

    運転免許の更新など、警察署の一般的な窓口は夜間・土日祝日は閉庁していますが、取り調べや事情聴取の対応は夜間・休日を問いません。

    仕事帰りの夜間や用事のない休日を指定して出頭可能な日時を伝えれば、いきなり逮捕されることはないでしょう。警察署に出向くのが難しい場合は、最寄りの交番や駐在所などに場所を変更してもらえることもあります。

5、警察に出頭するなら弁護士に相談を

警察からの呼び出しを受けて出頭する際は、事前に弁護士に相談してアドバイスを受けることをおすすめします。

  1. (1)出頭後の流れを確認できる

    突然、警察からの出頭要請を受ければ誰でも不安を感じるものです。自分が罪を犯した自覚があれば「逮捕されるのではないか」とさらに強い不安を感じるのも当然でしょう。

    弁護士に相談すれば、出頭後にどのような流れで刑事事件が進行していくのかの説明を受けることができます任意の取り調べ事件が検察送致後どのような流れとなるのか、また、逮捕の可能性についても詳しいアドバイスが得られるので、相談するだけでも安心感が高まるはずです

  2. (2)取り調べの対応についてアドバイスが受けられる

    警察署に出頭すると、警察官による取り調べがおこなわれます。
    取り調べでは、犯行の事実を認めるのか、犯行の手口や目的、被害品の処分方法なども詳しく聴取されることになるでしょう。

    弁護士に相談して状況を説明することで、取り調べにおいてどのような供述をするべきなのか、取調官のどのような言動に注意するべきなのかといったアドバイスが得られます。
    不当な取り調べによって不利な状況を招かないためにも、弁護士からの助言を得ておきましょう。

  3. (3)逮捕された場合のサポートを依頼できる

    警察の判断によっては、まず出頭を求めて任意で取り調べをおこない、その間に逮捕状を請求して逮捕するといった手法を取ることもあります。

    もし逮捕されることになれば、出頭後に帰宅することもできず、家族や会社・学校に連絡できないまま最長23日間にわたる身柄拘束を受けることになるでしょう。「警察署に出頭したまま、夫が帰ってこない」などと、残された家族に多大な心配をかけてしまうはずです。

    事前に弁護士に相談しておけば、出頭後に逮捕された場合でも早い段階での接見が可能です。勾留が決定するまでの逮捕後72時間は家族であっても面会できないので、唯一、弁護士が逮捕された本人と家族や会社との連絡役になります。

    また、逮捕されてしまった場合は早期釈放を実現するための弁護活動が必要です。逃亡・証拠隠滅のおそれがないこと、深く反省しており被害者に謝罪と賠償を尽くす意思があることなどを主張して、逮捕・勾留による身柄拘束を解かなくてはなりません。

    被害者との示談交渉を進める、家族が監督を尽くすことの誓約を検察官や裁判官にはたらきかけるなど、弁護士のサポートは欠かせないでしょう

6、まとめ

犯罪の被害者が被害届を提出すれば、警察が事件を認知して捜査が始まります。被害届は「捜査の端緒」として、警察捜査を発動するきっかけのひとつと位置付けられていますが、必ずしも被害届が提出されないと捜査が始まらないわけではありません。ほかのきっかけによって警察が事件を認知すれば捜査が始まり、必要に応じて逮捕される可能性もあるので、被害届が未提出だからといって安心するべきではないでしょう。

刑事事件を起こしてしまい、逮捕や刑罰に不安を感じているなら、ベリーベスト法律事務所 奈良オフィスにご相談ください。刑事事件の解決実績が豊富な当事務所の弁護士が、被害者との示談交渉などの弁護活動を尽くして穏便な解決を目指します。

警察からの呼び出しを受けた場合の正しい対応や取り調べにおける対応についてもアドバイス可能なので、まずはベリーベスト法律事務所 奈良オフィスまでご一報ください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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